よっしい君の岬トレッキング報告 wall01

よっしい君の岬トレッキング報告

【行程】
2007年8月5日 羅臼入り
6日〜9日 調整・天気待ち -羅臼北浜間で足ならし -荷物調整補足(防水関係) -羅臼神社お参り
10日〜14日 岬往復
15日〜17日 休息・お礼参り
18日 羅臼出発

【トレッキング】 到着以来、前線の停滞ですっきりしない予報が続いたが、11〜12日天候回復の見込み、大潮とも重なるため、10日出発とした。昨年・一昨年の反省をもとに、じっくりと引き潮を狙える4泊5日の行程。ザック仕上がり14Kg(飲用水込み)。




☆ 1日目(相泊→モイレウシ)
8時相泊出発。最低目標は、引き潮のうちに観音岩先の「飛び石」通過だったが、淡々と歩くうち昼過ぎモイレウシ湾に到着。昼飯にしようとすると降り始め、結果ここで張ることになる。


○長野のおっちゃん 出発前7日、潮風公園で会った、軽自動車の長野のおっちゃん、ウナキベツから登って岬まで縦走後、海岸を戻ると話していた。入山届けでは12日戻り予定。かなりきつそうに思えるが、そのとおり行けばすれ違うことになる。多少心配だが、「警察署届出済み」と書いてある。




○化石浜の休息
観音岩先の飛び石をすぎてひと安心、化石浜で休憩してカンパンを少々。コンブの船が3艘、操業中。ふと気づくと、左30mくらいの浜に若い羆が出てきて休もうとしている。沖の船はいいとしても、自分の鈴も鳴り止んではいたけれど、、それにしてもちょっと近くはないかい羆くん、目で語りかけながら鈴を鳴らす。 その音で気付いたわけではないと思うが羆くん、こちらを向いてちょっと足踏み、ぐるっと後ろにまわって藪のぎりぎりを右手岩場の方にのしのし歩いて行く。迷惑そう〜にこっちをちらちら振り返りながら。ずいぶんと人慣れしてしまっているのか、しかし表情がわかりやすく憎めない。 休憩終えて歩き出して振り返ると、遠目に岩場から戻ってくるのが見えた。

○船の漁師さん
漁師さんが船の上から何か言っている。ちょっと距離もあり聞き取れず、水際まで行くがわからない。ただジェスチャーで食べるまねと、ばってんを作っているのはわかった。申し訳ないがよくわからないので気をつけますと言って先に行く。


○ツェルトの問題と燃料不足のきっかけ
モイレウシ。無人。昼飯食べる間もなく雨が強くなったので、仕方なくツェルトを張る。中に入ると、そこも雨が降っている。。。 
そういえばだいぶ使い込んだツェルトではある。仕方ないので、上下カッパを着て過ごす。 飯を作ろうと中でアルコールバーナー、一昨年と同じ失敗をやらかして床シートに穴をあける。 雨漏りでシュラフを出すわけにもいかずカッパのまま、燃料・酒兼用のウォッカ飲んでふて寝。まだ4時。ちょっと飲みすぎたか。






☆ 2日目(モイレウシ→念仏岩)

 夜半までずいぶん荒れた。4時すぎ起きると雨は止んでいる。ツェルト張ったごろ岩場はやや川に近く、鹿の通り道らしい。親子でじゃまそうに横を抜けて草をはんで行った。早朝から渡しの釣り人たち登場。本日のメインは近藤が淵。ツェルトの問題で、今夜は念仏岩の洞窟泊に決定。


○ 昨年の壁


剣岩はもう充分引き潮、8時頃出発。昨年熱中症で限界を感じ引き返したメガネ岩、なんでもないへつりだが妙に緊張して通過。


○ ペキン浜のできごと


渡しの釣り客10数人でにぎわう。ペキン川をすぎて番屋前、「クマがでている」と彼ら。何回か出てきているという。鼻側の岩陰から、若い羆ちゃんが我々の反対側、川のほうの様子をうかがう。これでは自分も先に進めない。 羆ちゃん、人のかたまりは避けて潮の引いた岩場を何とか川のほうに行こうとする。「驚かせ」と船頭さん、皆当ててしまわぬよう石を投げる。写真も撮る。困った様子のところに船頭さんの爆竹、さらには石当てられて一時退散。藪から鼻をひくひく川のほうをうかがう。半分くらいの人は番屋に退避。 どうやらこの浜、渡しの釣り客が泊まりでキャンプするらしい。この羆ちゃん、焼きマスにとりつかれてしまったということか。羆の動線と番屋の位置関係も悪い。「これじゃあ今日は日帰りコースか」と釣り人。きのうはモイレウシにも出ていたと。漁師さんのジェスチャーはそれだったか。 どうにもあきらめのつかない羆ちゃん、さっきよりずっと遠回りで出てきて、磯の海中から魚の残骸らしきものを拾って戻って行った。 あれじゃあまだ食い足りないか、山に戻ったかわからないので、自分も思いっきり沖側を大回りしてペキンの鼻へ。


○ 一昨年の壁

近藤が淵。波で行けなかった一昨年と違い、今年は引き潮のべた凪。そのまま行けるかのぞいてはみるが、深さもわからないし、話に聞く大高巻きをやってみる。 踏み跡をみながら行くが、いちばん最近通ったのは鹿さんと思われる。獣道にそれないよう緊張して進む。とんがった恐い尾根急登に続いてヤブの中のトラバース、這いつくばって登るとしばらく原生林。かなり高い場所。まだ降りなくていいのか不安になる頃、下りの踏み跡。たどるとフキの生い茂る沢下り、でかい葉っぱをよけて足元確認しながら、でもずるずる滑りながらや〜っと海岸。ひとつ先の岩前に出た。高巻き1時間、ずいぶん体力消耗。昼飯。もうここからは、自分には未踏の領域。




○ 目標? ペキンの鼻上から見え始めた兜岩、これを滝ノ下と思い込んで進んだため少々混乱。思うように進まない感覚から余計に疲れる。と、思わぬところで男滝・女滝。 女滝で一夜の水を汲んで、念仏岩洞窟までぶらさげて行く。4時頃。 しばらくして雨。洞窟で正解。


念仏岩名物の飛び虫?がライトのあたるところに集中して大変。

難破遭難事件



☆ 3日目(念仏岩→岬→念仏岩)

岬到達予定日。念仏岩・兜岩を1日で往復できるものか、未知。

○ 往復策
うわさに聞く両岩を往復する算段、@ツェルトは張りっぱなしで食料と最低荷物 



A行きの念仏岩は泳いで渡る。 念仏岩は泳げば数10m、あっという間だが着替えと荷物の世話で時間は食う。が体力温存にはなる。兜岩、登り口わかりにくく手前の番屋で尋ねるとていねいに教えてくれる。枯れ気味の急な沢登りからトラバースだが近藤が淵のあとなので驚くほどではない。あとは尾根歩きで上の草原、岬の灯台が見えはじめる。 下りは「垂直、100m」と聞いていたので斜度をみてちょっと安心するものの、下りはじめると途中からロープがない。中盤なんとかずるずる降りると後半1/3くらいでロープ復活。降りはしたが登って帰れるだろか、多少不安を覚えるがまずは岬だ。


○ 岬



あとは歩くのみだが、そうそう時間があるわけではない。赤岩川で給水、藤本さんの白犬にガイドされてしばし歩く。 いよいよ岬の浜。浜に流木や漁具が多い。 灯台下の浜にあがっている漁師がひとり、魚箱ひとつ拾って船にもどっていく。 台地に上がる。ほぼ昼、晴れ渡る。草原はひざ丈くらい、なるべく踏み跡に沿って歩くがわからなくなるところもある。いくつかある突端、石積みや木柱や倒れた石塔やそれぞれに印があるが、どれが知床岬かよくわからない。沖にはウトロから観光船の岬ツァー。 岬近辺にひとり、ずいぶん軽装の女性一名。何? 灯台にあがる。昼飯。こんどは東の方から、やや軽装備の男性一名。さっきの漁船はしばらく同じ場所にいる。まさか瀬渡し?? コーヒーを淹れる。風がありウォッカ燃料をずいぶん食ったがあとで節約するのだ。初日以降、酒としては飲んでない。
灯台カフェ、実に美味。漁船は消えた。 2時、そろそろ戻る時間。200段強の階段で台地に降りて、浜に降りようとするとさきほどの男性。環境省関係でトレック客のインタビューをしているそうだ。 先の女性も仲間らしい。羆の話、釣り客の話、帰りの足の話、長野のおっちゃんの話など。



○ 念仏へ
降りた浜で、流木のちょうど良いストックを授かる。痛み気味の右足に大変助かる。赤岩でカヤックツァーの佐々木さん一行3名さま。また白犬ガイドと歩く。ごろ浜での歩き方は、彼女のほうが数段うわて。 兜岩、何とか越える。念仏岩、夕暮れでちょっと迷いもあったが越える。垂直部は雨のせいか、濡れていて結構必死。 何とか明るいうちに洞窟。あんまり服もどろどろなので、女滝の川に行って洗濯とシャワー。 今夜はすばらしい星空。蛍みたいなのもいる?赤や緑に光りながら、自在に移動しているように見える。 ぴょんぴょん飛び虫は、間接照明で回避。空を見上げて少々夜更かし。





☆ 4日目(念仏岩→モイレウシ)
あとは2日間、めげずに戻れるかの問題。 近藤が淵、帰りは高巻かずに渡ってみるため、最干潮での通過目標で動く。モイレウシまで。モイレウシには日帰り釣り客3人。

○ 水の問題 朝、浄水ポンプが壊れた。燃料ウォッカもあと数杯の湯沸しが限度。明日までの飯の回数をあわてて計算。移動中の沢水は生で飲むしかない。というか、そのまま飲んだ方が実際ひんやり美味い。

○ トレッカー 今日になってはじめて、岬トレッカー男女2組とすれ違う。念仏岩滝の下間の船着場と、ペキン浜。

○ 近藤が淵 10時半すぎの最干潮にやや遅れて到着。たまたま渡りかたの研究に来たペキン浜の釣り客若者の様子を参考にさせてもらい、海パンで渡る。ももくらいまで。 ペキン浜には、今日も例の?羆ちゃん登場した模様。


☆ 5日目(モイレウシ→北浜番屋)

さすがに4泊、余裕の帰着日。モイレウシには5時前から続々釣り客。はやめに出て昼には相泊かと思ってはいたが日射がきつく、日陰と沢があるたび理由つけて休憩。 夕方帰着。

○ 竹の子岩 岩のかげで休みながら、昨年落ちた岩をつくづく眺める。山の方をちょっと見ればくぐって行けるところを、へつって落ちた。悪条件で判断能力が低下してしまうこわさをあらためて反省。

○ 汚点 帰り道の強い味方、岬ストック。大きな岩を越える・くぐる時はザックに縛って行く。長いので岩にひっかけて落とさないように気遣ってきた。ちょっと違和感があり確認すると、ザックの蓋に挟み込んでいたビーチシューと海パンがない。 また余計なものを、海に残してきてしまった。

○ 北浜番屋へ 観音岩で昼がわりにカンパンをかじって、越えればあとはもう歩くのみ。おそらく相泊2時半、夕方までまだ少しある。このまま番屋まで歩いたら?、、練習も含めりゃ羅臼の街まで徒歩で継がる、とか変な考えが頭をもたげ、熊の穴で缶ビール飲んで引き続き道路を歩く。 大きなザックに流木を杖に歩く姿を見て大木さんのトラックが止まる。「乗ってけやぁ」「いえ、好きで歩いてるんで、、、ありがとうございます」


【ロープ状況】
観音岩 両側あり。岬側は細い(7〜8mm)。
モイレウシ入口 両側あり。
ペキンの鼻 両側なし。(なくてもよい。前はあった気がするが、、、)
念仏岩 両側あり。岬側垂直部は、太・細離れて各1本。登る時細い方1本になりがち。
兜岩 岬側上・下あり、中盤なし。中盤、継がっていないロープがそれらしく放置されていて注意要。(相泊側は必要ない)

8月14日無事帰還


【後日】 ペキン浜の羆ちゃん、その後も出没してどうやら撃たれたらしい。 近いうち、渡し釣りのキャンプは禁止になると思う、とビジター職員。 長野のおっちゃんのその後、不明。
画像    よっし君の峠越え
ホ−ム