よっしい君の峠越え wall01

よっしい君の峠越え

去年4月の知床総会以来の羅臼だ。
ソロで行くのは、、おととし夏以来。
オホーツクサイクリングの帰り、チャリだった。

ウトロからひーこら越えて羆さんに挨拶。
まだ無料お試しメニューだったハモ丼でよみがえり、
羆さんの悪魔の囁きでまた夜中の知床横断道路。
雲海の日の出!めざし、鹿やキツネにからかわれつつ
登って、ウトロに戻った。(結局日の出は見逃した)

冬も越えてみたい。

そんな気持ちが盛り上がってきたのはいつだったか。
鳥居さんのウトロ側アクセス報告とかもあった。
(これも羆さん経由。なんだかんだ、火付け役はいつも羆さんだ。)
だがそもそも、ゲート閉められて「通行禁止!」とか言われると、
むしょうに破りたくなる性分ではある。

当然行くのは国道。ヤマはしろうとだし、限られた日程で
天候崩れりゃ諦めるしかない。
おまけにスキーは苦手。下りの効率は割り切って、スノーシューで行く。
ソリで下る!?、なんてことも頭をよぎって、
ホームセンターで考え込んだこともあったが、
結局うまいストーリーにはならなかった。

まずは腹づもり。うさどんは前日から道東入り、日曜に帰る予定。
こぐま君も山に行きたそうなこと、羆さんからあらかじめ聞いていた。

【予定】
●2月2日/3日(土、日)
・うさどんのレンタカーに便乗して羅臼入り。
・間歇泉にでも行って、雪歩きに足を慣らす。
・こぐま君も行く気あるか、さぐりその1。
・国設キャンプ場でまずは雪キャンプの練習。

●2月4日(月)
・翔雲橋まで行ってみる。
・こぐま君も行く気あるか(2)。 彼はたぶん山スキー。ペースは違う。

●2月5日(火)
・見返り峠まで行ってみる。できれば羅臼湖。
・こぐま君と、少しマジに打合せ。ビーコン練習。

●2月6/7日(水、木)
・決行!ウトロへ。
・一日は予備日。羅臼で天気待ちか、ウトロでのんびり、か。
途中ビバークは、、、準備はするが考えたくはない。

期間中ほとんど晴れるのが前提の皮算用。
7日までに越えられなければ、、、仕方ない。バス・電車でウトロへ行く。

で、実際は、、、

☆2月2日(土)
・ほぼ定刻、10時半頃中標津。考え過ぎの大荷物。昨日から来てるレンタカーのうさどん野付から到着。 ところが途端に事故。停めてたとこに前の車がバックしてきてぶつかったと! なんで??? お巡りさんの聴取やら、早速のトラブルで時間食う。

・気を取り直して羅臼へ向かう。素晴しい好天。道にも海にも、氷はなし。

・知床倶楽部。羆さんに挨拶、こぐまくん初対面。海のギャングさんも登場。 道の駅で昼飯食って、戻ると店には大木さん。トド撃ちの話、狩りの話。貴重な話で、みんなで聞き入る。 この時期に峠越えなんて、、上の天気はこことは違うぞとクギさされる。 当然予想してた展開だが、地元の人に言われるこの臨場感。よぎる不安。 けれどこういう感覚、きらいじゃない自分。

・北浜番屋の下見。こりゃ分科会には最高。

・宴会。スケソのしゃぶしゃぶ! 鹿レバー!!ギターで唄がはじまる。盛り上がる。本日は、宴会部屋にざこ寝させてもらう。



☆2月3日(日)
・間歇泉行こう!だいたいの場所聞いて行ってみる。 (2人とも、行ったことない。)工事現場の奥から、あのへんかなと降りてみる。 ど〜〜こ行くんだぁ!?気ィつけてくれよ、と現場の人。そういえば俺のスノーシュー、持ってきたままでヒモも何も調整してない。いきなり脱げてハマったり あくせく。ようやく、どうやらそれらしき所。

・たぶんここだが、、どこから噴き出すんだろう?うさどんマスターに電話して尋く。、、ふむふむ。たしかに奥のほう、かすかに湯気たてる筒がある。 脇には背丈ほどの、噴泉できれいに溶け固まった雪の半ドーム。待つこと小一時間。間近で見てると、お湯が呼吸するようにあふれ始めて、、、来た!!!  あわてて逃げる!!と、うさどん雪の上にべったり転んでる。写真撮り損ねて、デジカメも雪まみれ。大笑い。
夏の間欠泉
・ゲートのむこう、少し歩いてみる。まずは、ゲートを覆い隠す雪の壁に上がるのにひと苦労。「R334」の標識にしがみついてよじ登る。 道のまん中ずっと、山スキーの跡がついてる。入って行く人もいるわけだ。風の通り道、不思議に波打つ雪。 小トンネル抜けて知床大橋まで行く。斜面には雪玉の転げ落ちた軌跡が何本も、きれいに広がる。 橋の下にはキツネの足跡、川の間際にスキーの跡も。あんなとこ通って、どこに行ったんやら。


・うさどんは今日がラスト、帰って行く。荷物おろして俺はゲートんとこに置いてってもらう。 国設キャンプ場。当然トイレ・東屋は休眠、蛇口もはずしてある。奥で雪掘ってる人ひとり。 雪がサラサラで地ならしは思うように行かないが、少し掘ってテント設営。熊の湯で暖まって街に歩く。 電話すると今日は倶楽部休みだと。でもいい、と言うので、なんか悪いことしてしまったがお邪魔する。 晩飯食わせてもらって、こぐまくんのスノーシュー見せてもらう。峠行き、少しずつかまかけるがまだ考えてる様子。 何だかんだずいぶん長居した。

・セイコーマートで買い出しして山へ。歩いてると、熊の湯に行くというRVの人が乗せてってくれる。 今はダメだがスノーモービルで上まで行ったことはある、道は斜面になってる、雪崩はないだろう、とのこと。 俺も寝る前に熊の湯。地元の人で混む時間だ。皆口々に、キャンプなんて凍っちまうぞ、山は恐いぞ、 テントならここに張ればいいのにと言う。北大の山岳部だかが熊の湯脇にかまくら掘ってたことあるそうだ。 この時期も、きのこ採りに山に入る人はいる模様。金になるんだと。あのスキー跡は、それだろうか。

・暖まった。スノーシュー履いて暗いキャンプ場、テントに入る。晩酌。厚着してるし結構ぬくぬく。 テント内に下げた温度計、氷点下に入ってきた。寝る。奥の人、どうしてんだろ?



☆ 2月4日(月)
・シュラフの襟元、息が凍ってる。つい二度寝する。

・さてと起きてコーヒー/朝飯、もう十時頃。こりゃ早起きとはほど遠い。奥の人、いると思ったらただ掘り返した雪の山。

・で、、この大荷物をフルセット背負って登るのはばかげている。、、ここに置いとくか。いきなり甘〜い割り切り。ビバーク用のシートと 非常食糧だけ持って、テントに荷物置いて出発。吹かれたらどーなる!? いい天気に頼ってる。今日は翔雲橋目標、近いとはいえ。

・昨日歩いたとこは、足跡踏んでわりと楽に進める。ってことは、明日はもう少し楽に進める。 翔雲橋はかまぼこ状態、もちろん真ん中歩く。欄干との間に少しスキマがある。いざ吹かれたらあそこに 逃げるのか。渡った先の見晴らしでひと息。
鳥 初夏

羅臼岳の右の山あたり、ジェット機のような音でとぎれることなく風が渡る。 あれがこっちに来たら、、、と考えると、怖い。 もう少し、引き返し合図までは歩いてみる。

・0.5kmごとの標識は外されていて、赤白矢印と地図とGPSで進み具合を判断。 道はわかる。さっきの見晴らしから、スキーの跡はうすくなった。赤白矢印の横に書いてある数字、もしやこれは羅臼からの距離?  だが矢印はあったりなかったり、励みが少ない。暑い。休憩増える。温度調整難しい。

・13:30、引き返しの時間。握り飯食って戻る。

2箇所ばかり、少−しショートカットしたところ、ちゃんと道なりに降りてナビに覚えさせる。 けど表示位置が行きとずれてる、、。GPSも万能じゃない。

・結局、宿をとった方が俺の場合、朝早く出れる。なるたけゲートの近くがいい。という安易な結論。 テントたたんでキャンプ場引き上げて、熊の湯。第一ホテルが今日明日OK。荷物置いて街に下る。

・知床倶楽部、戻るとなんかほっとする。峠越えの話あれこれ。こぐま君のショートカットの知恵、 昔のルサ⇔ルシャ越え夏コース/冬コース。こぐま君も乗り気になってきて、あさって行こう!ってことに。 また遅くまで居座って、楽してタクシーで第一ホテル。



☆2月5日(火)
・早起き。パンかじってコーヒーいれて。テレビの天気予報、明日から下り坂?もちろんここは別だろうが、、、気になる。

・昨日プラスαの最低装備でフロント出たのが7時。今日の目標は見返り峠、できればそこから羅臼湖。引き返しは正午。

・ゲート7:30。3度目になる知床大橋はすぐ通過、熊越トンネル出入口はさっさと(雪落ちてきたらたまらない)、 中は雪のある所選んで歩く。トンネル出たあたりで、右の斜面が気になり出す。こぐま君がジョイと登ったショートカット、、、 鳥 少し登り易そうな所、鹿の足跡もあるし(関係ない)行ってみる!だんだん傾斜きつくなり、大詰めはへばりついて細い木に つかまりながらだが何とか、上の道に出る。こういう場合にクランポン、着けるべきなんだろな。 ともあれ、橋渡らずに最初の見晴しまで来てしまった。今日もまた怖ろしいジェットのうなり。 こっちは吹いてもそよ風、雲ひとつない。8:30。積雪2.5m位。

・昨日の最後の右カーブ、曲がらずに行ってしまえるか!? これもゆうべこぐま君と話してたショートカット。 地図と地形と見比べて、休み休み考えながら手前の直線(なぜかここは疲れる)。 やってみてダメならまた相談だ、と意を決し、カーブ突き抜けて林の中登る。傾斜はそれほどでもないが、休み休み。 いろんな動物の足跡だけはあるが、会いはしない。意味あるのか熊鈴チリンチリン鳴らして登る。 ようやく、国道の矢印標識が見えてきた。目梨湿原あたり。国道は崖の上、って事態を恐れていたが、大丈夫だ。 復帰。もうひとつ、小さなショートカットで距離をかせいで、あとはぐるりとおとなしく、国道に従って見返り峠を目ざすことに。9:30頃。

・だんだん雪質の変化が大きくなってくる。風の通り道では殆んど雪は飛ばされてガリガリ。手前のカーブは大きく盛り上がって質はまちまち。 見返り峠近づくとほぼ全面ガリガリ、だんだん歩き易くなってくる。それにしてもこの好天、、、10:30まえには見返り峠到達できそうなペース。 鳥 99.4.29撮影
これは、、チャンスかも。少なくとも明日の参考に、この先、知床峠への道を見ておくべきなんじゃないか?! もし、昼までに峠に着いたら、そのままウトロに下ってしまえばいい。 こぐま君には悪いが、この申し分ない天気は、たぶんそうは続かない。 わざわざ戻ってばかな危険に巻き込むよりは、抜けがけの方がマシだ。

・見返り峠10:15。一段と羅臼の町が遠い。電話通じる2つめのポイント。
知床倶楽部に電話しておく。峠方面の様子をみて、もしかしたら越えてしまう旨おかーさんに伝える。 羅臼湖入口は、どこだかわからない。夏に下見してからだな。

・歩きだしてさっそく、単なる右下りの斜面と化した道がしばらく。 矢印標識はところどころあるのでそれ目標に行くが、ガードレールはほぼ埋まってるので安全みてできるだけ山側に寄って。 冷汗かきながらどうにか通過。早々に、もう戻るのがいやになってきてる。峠まではあと2キロか3キロか。

・左の山が高い所はさっさと抜けるようにする。かなり疲れてきて、スキあらばひと休み。 そよぐ風で標識のポールが鳴いている。しばらく行くと遠くに峠が見える。 だが延々、カーブごとに繰り返し斜面の道。だんだん右の谷も深く、 雪質も数歩ごとに大きく変わるので肝を冷やしながら進む。 ますます、戻りたくない。ってことは、峠に急ぐしかない。 時に見えかくれする峠に向けて、斜面越え何度も何度も。 峠に近づくにつれ、斜面でない部分はガリガリ数cmの氷だけ、 盛り上がりとの段差が大きくなる。吹きはじめたら凄いんだろう。 いよいよあと2つ、のところで引き返しの合図、ケータイ鳴る。もう、これは行くしかない!!

・12:10知床峠到着。ここはもう、アスファルト。スノーシュー脱いで、休む!!! トイレは当然、閉鎖中。 はずした(はずれた?)ガードレールが道の真中に。 下界の海、スケソ漁の船が戻っていく。国後の手前に白い帯の流氷。 展望台で昼の握り飯、正面に羅臼岳。この時期登る人いるんだろうか。  1時まで休む。電話は通じない。

・ここまで来れば、ウトロ方面地形的な危険はない。 スノーシュー履きなおして、下りへ。風に吹かれた雪の文様が深い。 ウトロの海は氷で真っ白。足元の雪は柔かくなり、スキーの跡深く、 避けてももぐって、歩きにくい。ウトロ側からは、登ってくる人多いのか。

・こちら側は0.5kmごとに青標識、夏と変わらず。 ショートカットの余地ない一本道。、、、疲れと深い雪で、体力的にきつくなってきてる。数歩あるいてまた水飲んで、 なんてことも。3時頃になってようやく22kmポスト。 ウトロまで32kmだが自然センター(ゲート)は何キロ位だったか、、、 記憶がはっきりしない。目標も見えず、なんか絶望的に歩く。 とにかくゲートまで行きゃぁどうにかなるだろうが。

・スキーの跡が増える。と、交じって何やら大きな足跡。放射状に爪4本、時おり深く沈んでいる。クマ!??  この時期にいるとするとかなりアブナい奴、熊鈴が逆効果の可能性もある。 行く道に沿ってずーーっと続く。もしや追いついてしまわないか? かと言って逃げ戻るのは、、、。ビクつきながら行く。 脇の林、バサッと逃げる鹿に驚かされる。ペースあがってる。 日が傾いてきている。27kmポスト。足跡におびえつつ、 まだあと1〜2キロはあるだろと想定して無心に歩き続ける。 と、ゲートだ!! 27.5kmくらいか。抜けた途端、ケータイが鳴る。 羆さんからだ。到着しました! 16:30。

・自然センター前の国道、終バスむりやり止めて(先回りしてくれたお兄さんたちに感謝)飛び乗る。 ふ〜〜〜〜〜〜ぅ!気づくとスノーシューは雪まみれ、ストックは伸ばしたまま、スパッツもしたまま。 気を取り直して席の回りを整理する。

・斜里から釧路行きJRに飛び乗る。何もかも羅臼に置きっぱなしだが今日は戻れない。 着替えもない。ケータイ電池もなくなりそう。



☆2月6日(水)
・釧路、和商市場で朝飯。そりゃカンジキかね?市場の人に何度も尋かれる。

・10:15発阿寒バス、羅臼行きに乗り込む。標津から霧。やはり、天気下り坂か。

・戻ってきた!!知床倶楽部2時すぎ。宿の荷物、羆さんしっかり引き上げてくれてる。 もう時間すぎてるのに奥でおかーさんのハモ丼頂く。やっぱりこれが一番、元気出る。熊の湯!

・晩は宴会。羆さんこぐま君ギャングさんと4人。今回持って行きもしなかった雪崩ビーコンとゾンデ棒(ひとりじゃ何の意味もない)、 ここに置いてくことにして、実験。羆さんがどこに行ったか探すのにちょうどいい、と。

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**知床倶楽部の旅人応援グッズNo.?:雪崩ビーコン。
**どなたもご自由に使っていただいて結構ですが、
**1.必ず電池を取り替えてから出かける。
**2.紛失のないよう、あなたが雪にのまれても
**  掘り返せるパートナーを必ず連れて行く。
**ことを守りましょう。
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☆2月7日(木)
・ウトロに行く日。昼の阿寒バス→JR→斜里バスぎりぎりの予定。

・昼飯のご馳走、豚丼と三平汁。ギャングさんもこぐま君もバンビちゃんも食べに来て、真鱈のあらを チューチューやってると、もうバスの時間。食いかけを惜しんでるとありがたや山内田さん登場。 羆さんの根回しで、すっかり斜里に行く気だ。バスは行く。 ありがたく食事ぜんぶ頂いて、山内田さんの車で羆さんと3人斜里へ向けて出発。

・あそこのコーヒー飲みに行こう、羆さん言いだして斜里の街はパス。ウトロ方面日の出の喫茶店、知布泊CHIP TOMARI。

・今度は知合いのやってる旅館見に行こう、と羆さん。いいよ、と走ってオシンコシンの上。海陽亭。

・そんなこんなで、結局ウトロターミナルまで乗せてもらってしまった。羆さんのシナリオ?。 谷内田さんも人がいいと言うか、仲がいいと言うか。何とお礼していいかもわからず、二人帰ってゆく。



例の足跡は、散歩の犬だとウトロで判明。ちょっとがっかりだが、おかげでペース上がったし、 感謝すべきか。おのれの無知にも。

その後はフツーのバックパッカー。網走でこっぴどく転んでケガしたが、 遠軽の巌望岩にも登って(ここで吹かれた)2月11日、東京に戻ったのであった。

お世話になった方々には、ほんとに感謝です。
今回の反省にもとづき、戻ってからもしばらく、雪中ビバークの方策(持って登れなきゃ意味ない!) 部屋であれこれ試すバカな生活が続く、、、。
         ξ         吉 □P
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