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涌さんの・・・・



クジラ模型の作製
  今年2月、町内相泊において11頭のシャチが座礁するという事件があった。 現場に行ってみようかな、とも思ったが多数の研究者やボランティアが救出 作戦を展開し、その後も解体処理に携わっているとの情報を聞き、控えた。 その後私の勤務する郷土資料室には海の生態系に関する展示資料がほと んど無く、それを代表するクジラ類の模型をの作成を思い立った。ただし、 最初はシャチのポッド(群)11頭を作成しようと思ったが、こらえ性の無い 私としては作成期間が長期になると同じ型ものを多数作っていると飽きが 来るのではないかと思い立ち、それよりは根室海峡で確認されるクジラ類 数種を作成することとした。この作戦が泥沼にはまり込む序章だったとは…。 最初はやはりシャチを作ることとし、座礁した中での最大の雄を展示の 関係から20分の1、実際の大きさは7.6mであったので38pとした。まず 10分の1で木製のものを作ってみたが概ねいけるだろうとの結論に達し、 材料は心材を発泡スチロールとし、その上に可塑性のある材料で覆うこととし、 普段遺跡から出土した木製品の復元などに使っているエポキシ樹脂を使用した。 これは人造木材とも言われ、硬化すると丈夫で軽く、彫刻も可能な材料である。 欠点は削り出しができる程度に硬化するまで数時間かかることと、 価格が高価(1s=9,000円)なことである。



1.シャチ

根室海峡では目視の可能性がかなり高いクジラ類である。 3月〜8月位に数頭から十数頭のポッドを形成して回遊している。 大きな雄では9mを超え体重は7トンに達するらしい。雄の背鰭は直立し、 最大で1.8mもあり、くっきりした白黒模様が美しい。いよいよ作成に取りかかったが、 ここで難問が生じた。図書室から数冊の図鑑を借りてきたが、側面の図は掲載されているが、 正面、上面などがどの図鑑にも載っていない。つまり、体の太さや尾鰭の幅、 胸鰭の長さ等が実測できないのである。また、図鑑によって体型なども微妙に異なっている。 しょうがないのでまず側面図を基本とし、写真を比率で判断しながら作っていくこととした。 最初はエポキシの厚さを考慮せず、発泡スチロールの心材をほぼ忠実に作ってしまったため、 小太りのシャチとなってしまった。削り直して約2週間で完成。模型の大きさは38pで、 想定体長7,6mとなった。シャチの食性は多様性に富んでいると言われるが、 羅臼のものは子供を除いた全てのものがアザラシを食べており、 成熟した雄の1日あたりの摂食量は280sに達すると言われる。 各ポッドによって強い嗜好性が認められるらしい。背鰭のすぐ後ろに灰色の模様が認められるが、 これはサドルパッチと呼ばれるもので個体差がかなりあるらしい。 マッコウや他のヒゲクジラ類と異なり長時間潜りっぱなしと言うことはなく、 好奇心が強く活動的なので船の下を潜ったりブリーチングを見せてくれたり、見飽きることはない。   涌坂周一

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