カムチャッカ半島の旅@
昨年8月カムチャッカ半島旅行の機会を得た。ツァーなのだが、
釧路からの直行便で行くので日程に無駄が無く、いつも忙しいふりをしている私には好都合だった。
当初は太平洋岸を飛ぶものとばかり思っていたのだが、ロシアのチャーター便のせいも
あってか飛行機は千島列島の西岸伝いに飛行し、カムチャッカ半島南端部を西から東へ横断して、
州都ペテロパブロフスク・カムチャッキーに向かった。
眼下にはクリークが縦横無尽に走る湿原が見える。釧路湿原のある町で幼少時代を送った私は、
それが広大なものという観念があったが、カムチャッカの湿原は横断するのにジェット機で
15分ほどもかかるまさに目を見張るものであった。飛行場から市内へはバスで走るのだが、
左手には有名なコリャークスキー山がそびえ立っている。富士山と同じ成層火山で標高は3456m、
見事な裾野を見せるが、その北側には同じような格好をした火山が延々と連なっている。
つまり、「富士山がいっぱい」状態だ。なぜか感動も薄くなる。
翌日は市内で若干の買い物を済ませた後、軍隊払い下げの超大型ヘリコプターで半島南端の
クリル湖へ飛ぶ。1時間半ほどの飛行時間だったが飛行場から10分も飛ぶと人家、畑、
道路すらほとんどなく、手つかずの自然とはこういう状態を言うのだろうと感動させられる。
クリル湖は周囲50qほどの巨大なカルデラ湖だが、
半島西側先端部のオゼルナヤからの悪路以外のアプローチはヘリコプターに限られる。
数人の公園管理官?が常駐し、到着した我々に自然のガイドをしてくれる。
肩には猟銃をぶら下げている。ここは世界でも有数のヒグマの生息地で、
カメラマンの星野道夫さんがクマにおそわれて、命を絶ったところだ。
湖岸は白い軽石で覆われており、そこから3mも離れた灌木帯はクマ道、
あるいはクマのねぐらとなっており、ニェルカ(紅鮭)の腐った異臭がする。
流れ込む小川の周辺はクマの食べたニェルカの残骸でびっしりだが、
遡上する量が多いのと川が浅く、捕獲しやすいため、
ほとんど筋子しか食べていないように見えた。贅沢な奴らだ。
その後、ボートに乗って湖上からの観察だ。同行させてもらった知人6人は
鉄砲撃ち(もちろん、職業としているわけではない)で、クマを発見するのもすばやく、
ロシアのガイドにも負けないのだが、湖で鼻先だけを出して泳ぐ潜水グマの
発見には遅れをとったようだ。日本では見ることができないのだから仕様がない。
涌坂周一
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