エゾサンショウウオ
日本には17種類のサンショウウオが棲息しているが、北海道ではキタサンショウウオと、
エゾサンショウウオの2種が棲息している。このうちキタサンショウウオは数万年前の
氷河期の後にとりのこされたもので(遺存体)、北千島、カムチャッカ、シベリアなどに
分布しており、国内では釧路湿原にのみ分布が知られている。キタサンショウウオは
後ろ足の指が4本なのに対し、エゾサンショウウオは5本なので容易に区別がつく。
羅臼を含めた全道に広く分布しているのはエゾサンショウウオだが、5月上旬に
ちょっとした水たまりに細長い卵嚢を産卵する。成体は大きなもので20p近くになる。
郷土資料室で飼育しているものは、1998年5月に卵を採集し、孵化させたものだが、
すでに今年で6歳となる。餌は夏にはミミズや蠅を与えているが、
昆虫などが見つからない春先や、晩秋はマグロ、イカ、エビ、
鶏肉等何でもOKのグルメとなる。太さ2〜3o、長さ2〜3p位に
細く切ってピンセットに挟んで、目の前で振ってやると飛びついてくる。
しかし、カエルなどと比べると採捕技術の未熟さは一目瞭然で、
目の前の動くものしか見えないらしく、同僚のシッポに噛みついたりもする。
現在生存しているのは6匹。
2002年は産卵させようと思い、冬眠させることとした。
冬眠自体は成功したのだが、思うとおりに産卵はしてくれなかった。
翌2003年は11月25日に冬眠を開始し、翌2004年5月11日に冬眠明けとなった。
その後5月17日に卵嚢1個を確認し無事ご出産となった。
しかし、ここからがサンショウウオの子育てをしたことがない未熟な親の悲しいところで、
6月8日にオタマジャクシ状の幼体が次々と孵化を始めたため、
卵嚢の中にいると窮屈だろうと思いそこから出してやると、
翌日から次々とお亡くなりになられ始めた。
結果的に卵嚢は孵化直後の保護膜と餌の役割を果たしていたように思われる。
60匹ほど全てを死なせてしまった。今年も冬眠明けのシーズンをむかえ、
昨年の弔いも含め、ある程度大きくなったら元気に自然界に帰してやる
ことができるよう気を引き締めている。
涌坂周一
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