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涌さんの・・・・




5.イシイルカ

白黒のコントラストがはっきりした、根室海峡では一番多く目撃されるイルカ。最大のもので2.2mを計るが、胴部が膨らんだ、ズングリとした体型をしている。 クジラやワシ類の観察会の折りにはいつも見受けられるイルカである。あまりポーポシング(ジャンプしながら泳ぐこと)することはないので、姿をはっきりと確認することは難しいが、背ビレの白帯が目立つので識別できる。V字型の水しぶきを上げながら高速で観察船を追い抜いていく。解説書によると時速50q以上を出しているらしい。模型の大きさは10pで、想定体長2m。 町内の子供たちを連れて知床岬まで踏破する「知床探検隊」では、よくこのイルカに遭遇する。海岸を歩いているのに変だなーと思われるかもしれないが、数頭、あるいは数十頭単位で海岸に打ち上げられていることが間々あるからである。腐敗して腹部をパンパンに膨らませたものは数百メートル先から匂いが漂ってくる。できれば避けて通りたいところだが、知床特有の波打ち際まで断崖が迫った地形のため、横目でにらみながら鼻を押さえて通過しなければならない。また、我々人間にとってこの匂いは悪臭以外の何物でもないが、ヒグマにとっては垂涎ものの匂いらしく、ほとんどの場合は付近の岩にはイルカの油まみれになった足跡がベタベタとついており、オオイタドリの草藪の縁にはそれを引きずっていった痕跡がうかがえる。ホイッスルを鳴らしたり、大声を上げながら、子供たちには平然をよそおって通過する。

    涌坂周一
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