念仏岩 wall01

rausu


念仏岩



念仏岩洞窟 その昔、羅臼のアイヌの娘が、夜夢に見た一人のたくましい青年に
恋慕い、連日連夜悩み続けた。そして娘はこの半島を南に進につれて
広大な原野があり、青年はその原野の端で、娘を待ちわびているものと
信じた。悩み疲れた娘は、この思いを隠しきれず、母に打ち明けた。
母は、突然の娘の言葉に驚いたが、かわいい娘の希望を聞き入れ、
ある日父には知らせず二人で密かに南に向かって歩きはじめた。
まもなく通りかかったのがこの岩だった。母はこの岩は念仏を唱えながら
越せばなんとか越せると聞いていたので娘に念仏の仕方を教え、
岩を登らせた。数十分もかかって、ようやく娘は、岩の頂上に達し、
振り返って別れの瞳を母に向けた。見下ろす娘の瞳にも、見上げる
母の瞳にも朝の白露のごとき涙が光っていた。
以降、この岩を念仏岩というようになった。

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