
羅臼の町は海と山に挟まれたところに住居が重なりあって並んでいる。
各家ではさほど広くない地面を利用して工夫を凝らした小さな庭を造り
短い夏が過ぎ冬が襲う前の瞬時、それぞれの小さな秋を愛でる。
10月31日
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雪虫
雪虫が舞いだす頃、越年用の漬物を作るため、
大根洗いの手伝いをさせられた。
秋の日は釣瓶落しで、暗くなった空に、
白い羽が飛び交いだす。作業はまだ終わらず、
吐く息は白くなり、手がかじかんでくる。
夕餉の暖かさが恋しくなる。
しかし親子一連作業では家を暖めて待つものはいない。
雪虫を見るとその時のことが思い出される。
10月31日
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